支援員さんは、自治体が決めた方針を勝手に変えてはいけません。
ICTのことをよく知っていると、わかっていただくと、今どうしていいか悩んでいる先生方はたくさんのことをご相談くださるでしょう。
勉強熱心で、GIGAスクールの目的やプログラミング教育のことを勉強していると、もっと自由にすべきだ」「もっと制限をはずすべきだ」という苛立ちを感じることもあるでしょう。
しかし、それより先にプロとしてまず、自分の所作と行い、情報活用のスキルを見直してください。
あなたが示すべきはあなた自身の知識の多さやテクニックの高さではありません。
あなたは本当にプロとして先生や子供たちに「安心と安全」を示すことができていますか?
今回は支援員さんにご自分の行動を見直していただくポイントについて書こうと思います。
あなたは本当に「良い支援員さん」になりたいですか?
以下のことを確認してみましょう。
タブレットやその他の機器が精密機械であり、とてもデリケートであることを理解していますか?
●落としたらダメージがある(どんな?)
●水に濡れたら壊れることがある(なぜ?)
●埃がたまったり手垢で汚しているとトラブルが起き易い(なぜ?)
●年月が経つと故障が増えてくる(なぜ?)
は、かっこの中が説明できるように自分で調べてみましょう。
なぜ私が赤ちゃんだっこを推奨するのか、なぜ先にケーブルを抜くのかはここに理由があります。
https://www.thinkrana.com/introduction
かつて、私は研修などで訪問した際も、PCルームの頃は終わったら画面を綺麗に拭いたり、マウスやキーボードの位置を直して、椅子を全て引いてから帰りました。
なぜ訪問する学校に画面ふきをもっていくのか。なぜ位置を戻しておくのか、なぜ椅子を引いておくのかそれぞれに理由があります。(なぜでしょう?)
そして、タブレットになり始めた頃から、自分の担当自治体の支援員さんたちには、はじめての訪問時にタブレットにシールを貼ることを、お願いしていました。
また、IDパスワードのカード作成をお願いしていました。
なぜ、決まった場所にナンバーシールを貼っていたのか?カードはどうやって作れるのか?
これも考えてみてください。GIGAでも使えるアイデアのヒントになります。
すべてに理由があってやっています。
自由の前に教えるべきことを、論理的に教えておきましょう。
壊したら弁償だなどと脅すより、新しい知識を提供すること、気づきを提供することで、ずっとこどもや先生のモチベーションを高められます。
そして、ICT機器は、コンピュータが中に入っている。
そしてそれは勝手に悪さはしないことも理解して説明できるようにしましょう。
●コンピュータは人に言われたことしかしない。(自発的に考えてはいない)
●機器には基本操作というものが設定されている(「触っているうちにわかる」は非効率的なので最低限教えておく。ただし裏技やショートカットは見つけたら楽しい)
●情報漏洩のトリガーを引くのは自分自身
(ウイルス感染やフィッシング詐欺もトリガーを引くのは自分自身、SNSにアップする、公開される場所にアップするのも自分自身)
そしてここで、弊社は「赤ちゃんだっこ」(登録商標)に続き、「ロックしてそっ閉じ」を推奨いたします。
離席の際に、「ロック」は当たり前のこととして教えましょう。それぞれの機器でやり方に違いがあります。なるべく簡単な方法で伝えましょう。支援員さんはもちろん、先生にまず習慣づけていただきましょう。
「そっ閉じ」は特に先生方には、見直していただくと良い動作です。
急いでいるからとパソコンの画面をバタンと乱暴に閉めていませんか?実は破損の最も多いのが、キーボードの上にボールペンや小さなものを置いたまま画面を閉めたための液晶割れ。画面を閉めるときはそっと。そうすれば、挟まっているものがあると割れる前に抵抗感があってわかります。
iPadの場合は本体が重くキーボードはペラペラなことが多いので、上から倒して閉めるのではなく、キーボードを下から持ち上げて閉めてみてください。ダメージが少ないです。
車の運転と同じで、初動はゆっくり。
アクセルやブレーキ、ハンドル操作は初動を乱暴にすると事故や乗っている人に不快感を与えますね。それは体に良くない刺激があるからです。
タブレットを保管庫から出すのも、先生がやっておくと言って、ズバズバとスピードで引き抜いていませんか?
万が一何処かケーブルが引っかかっていれば、ゆっくり引いた時は抵抗を感じます。しかし一気にやれば、それに気づく間も無くケーブルを破損します。
ChromebookのUSB type Cは非常に抜けやすいものの、金属部分が弱く、壊れやすいです。
大人もこどもも、初動をゆっくりせずに、1秒2秒の時間短縮をしたところで、本当にその1秒を有効に使えているでしょうか。
その一瞬のイライラ、一瞬のかっこよさ?(スピードが速いことがカッコいいと思う人が多いと感じます)で、もうタブレットが使えなくなるかもしれません。
そして最後に。
あなたは自分がどんなアウトプットをしているか確認していますか?
日々進まない活用や、機器破損のトラブル、学校で見聞きする先生方の生の声。
また、支援員としての自己研鑽とそれに対する待遇などについて、学校には心を揺さぶることが溢れています。
それをどんな形でアウトプットすることが、先々学校や自分自身、そして学校を支えたいと願う人たちに良いか?を考えたことがありますか?
私の1番の友人でもある、ある支援員さんは、これらが優れている、「支援の心」を持っていたからこそ、今この仕事を、誇りを持って継続し、先生やこどもたちからの信頼を集め、ひとつの確立した職業として携わり、人生を楽しんでいます。
先生に認められたい
自分の技を披露したい
人より目立ちたい
支援員の中で1番になりたい
このような考えで仕事にあたるなら、多分その人は永遠に「支援」の心を手に入れることができません。
そして、技術の高い、目立つ人を、マネージャーやリーダーに据えることこそ、
最悪の結末を迎える可能性があることは
よく理解しておいていただきたいと
願うばかりです。
支援員さんのマネジメントについては、
また書きたいと思います。
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