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【学校でICTを使うのに消極的な先生をどうしたらいいでしょう。】

こんなご質問をいただきました。というかいつもいただきます。

私なりの答えがいくつかあるので書いてみます。

まず最初に「使うのに消極的な人もさまざまな理由がある」ということを大切にしてください。使わない人を敵のように嫌ったり、馬鹿にしたり、阻害することがないようにしてください。ただでさえICTは日本全体で見ても遅れています。クリエイティブに使いたい、知りたい、理解したいとかんがえる側のほうが少数派であることを認識して、やりたい、活用している、ハマっている方々が偉そうにして嫌われ者にならないことが大切です。仲間がどんどん減ってしまいます。


例えばその先生が

①不具合などが多くご不安とご不便の場合

②使いにくいものに苦言をいただいた場合

③学校全体での取り組みにご参加の場合

④やりたいこととICTが結びつかない場合

この4つが見えているなら、それは大きなチャンスになります。

🅰️ICT支援員の立場から言うなら、どんなチャンスも見逃さずにサポートすることがポイントです。

①の場合支援員が解決できる軽微なもので、操作なども一般的な場合(再起動など)は、実施してみて改善することを確認したら、どう言う現象で、その場合どうやったら直るのかを伝えるポイントは、

⚫︎なるべく少ない手数を進める

⚫︎ショートカットよりメニューから

⚫︎一緒に操作をしてみる

⚫︎再度一人でやってみてもらう

大切なのは支援員が自分だからできる魔法にしないこと。先生にも軽い障害対応ができるようにお伝えしましょう。やってみる勇気がでるように何回か繰り返し体験してもらったり、手順メモやマニュアルをお渡ししましょう。

また、不具合や不便を我慢しているケースが多いです。得意な方ほど回避策があるため、乗り越えてしまったり麻痺しているケースがあります。不具合のまま不便のまま使いこなせというほうが無理です。早く原因を突き止めて、解決するために学校と委員会が情報共有をし、委員会は面倒が多いですが改善に努める必要があります。

とくにインフラに問題があるのは致命的です。ここだけは、力を入れて十分な予算と保守を確保しましょう。

②の場合もどんな使いづらさがあるのかを知るチャンスです。苦手な方や日常的に使わないからこそ感じる不便があります。

また、学校で流行っているツールや使い方が本当に教育の本質に沿っているかは絶対ではありません。使いづらいと感じる、その先生の違和感から学ぶことも必要です。その先生の思いを自分の先入観を取り除いて聴いてみましょう。

例えば

⚫︎みんなが使っているものをゴリ押しせず、その先生に合うものを今あるものから探してみる。

⚫︎間違いを防ぐ印やマニュアルを作る

⚫︎何度も使うものはテンプレートにする

⚫︎アクセシビリティを変更できるならカスタマイズしてみる

⚫︎使いやすい収納や管理のアイデアをかんがえる

⚫︎接続や設置がしやすくなる目印や設定値を記録しておく

⚫︎得意な人の使い方をやるよりも、基礎から伝えて仕組みを理解してもらう

大切なのは利用が低い人の理由は一人一人違うと言うことです。実は機械が苦手じゃない場合もあります。一人一人の話を聞くために、支援員側は先入観を捨て、苦手なことを話してくださるなら、敬意をもって聞きましょう。流行っているものが正義ではありません。

③の場合はチャンスです。やらざるを得ないシチュエーションは、みんなで経験できるので、こう言う時こそ、面倒な感じや苦手意識を感じないで、他の色んなスキルの先生と一緒に簡単に成功体験ができるように準備しましょう。

例としては、かつて全校でオンライン朝の会をやった時、はじまるまではすごく不満そうに「こんなこと私はやりたかないんだ」と眉間に皺を寄せていた先生が、設定や操作を事前に丁寧にお伝えして、いざ子供達と接続になった瞬間、大きなテレビにうつるクラスの子たちのたくさんの笑顔と先生に向かって話しかけてくるのを見て、ぱあっと明るいお顔になって子供たちと楽しそうに会話をされたことがあります。この後、先生からは「やってみると意外と楽しいもんですね!」とお声がけいただき、片付けまでお手伝いしてくださりながら子供達の話しをしてくださいました。

すぐできるセットにしておくことで、繰り返し使ってくださるようになりました。

④の場合は個人の仕事を変えるのではなく、先生方全員がやる作業からICT化していくことがコツです。どこにそう言うポイントがあるか、支援員さんと管理職だけでなく色んな先生のご意見を取り入れて、全員がやることからICTを取り入れましょう。

きっかけを見逃さない、寄り添う、継続しやすくする、本質を見落とさないことが大切です。

ただし!この働きを支援員がするには、訪問頻度は週3以上、いや、常駐であること、十二分に勉強しながら働く研修体制や待遇があることが大前提です。予算の確保をお願いします!薬は適量、必要回数服用しなくては効きません。

🅱️支援員ではなく学校の先生や委員会の立場からなら、🅰️で書いた「チャンス」を作るのがミッションです。

支援員が行うサポートとは粒度が異なります。

「先生が」やるべき業務とやらなくて良い業務はあらかじめ委員会や管理職で検討することが重要です。セキュリティの面や教育的な面からも話し合えるアドバイザーがいると良いでしょう。これは支援のアドバイザーと共に働き方改革のアドバイザーをコラボで招聘する方が良いかと思います。まだまだ気づかない手作業ややらなくて良い仕事はたくさんあります。業務の棚卸しをしましょう。

ICTを使いたくない先生と会話をしていただくのも、管理職のお仕事だと思います。

ICT推進派の肩を持ちすぎず、教育という面でその先生の良いところを尊重していただければと思います。

単に食わず嫌いなら、今更聞けなくなっているのを解消するために、みんなで使うチャンスや、負担の少ないもので全体でやってみる活動を提案してみるなど、工夫がいります。先生方の小さなステップアップは学校の意思がなくては、支援員に丸投げでできるものではありません。

委員会や管理職がかんがえるGIGAのステージの階段を登る手摺りやガイドになるのが我々ですから。土台のないところに手すりを置いても頼れません。

GIGAはみんなで作っていくものです。一人ではできないし、話を聴くだけではできません。一人一人がやるしかない。支援を委託するのに意思もなく丸投げでは思ったようなものには絶対になりません。「いい感じに」「柔軟な対応」をお願いすることは都合の良い丸投げです。みんなが自分の持ち場に責任と意思を持ち、部署同士も話し合わないとすぐに頓挫するでしょう。

風通しの悪さを改善するためにも第三者に協力をしてみることもお勧めします。


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