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学校に外部人材が入ることの負担

【いかに学校に人材を入れること軽く見ているか。】


最近の学校への支援は、ボランティアを募集してみたり、新しい名前をつけては人材を導入したり、中にいる先生の気持ちを考えてやっていると思えないことが散見しています。かく言う自分たちも外部人材。学校の負担を知っているから訪問日はとても緊張します。特に初日はまだご信頼もいただいておらず、本当にお手数をおかけすることが心苦しく思いながら訪問します。


厳しい言い方をしますが、外部から誰かが来る時、何が起こるか、考えずに人を投入することはどれだけの負担を生むか、その一部を知っていただきたいと思います。


支援員さんが初めて学校に行くとき、どれだけの手間が学校にあるかちょっと振り返ってみましょう。


【外部からの訪問、しかも校内に上がって1日過ごす】


1. まず、学校側はその日に他の用事がたくさんあっても、委員会から曜日指定などされていたりすれば、理由なく断れません。

では、学校希望日にすればいいかというと、希望日と言われても何をしてもらえるのかわかっていなければ、来て欲しい日などないでしょう。


2. 外部から訪問があるなら、管理職の先生が把握してる必要がありますし、長時間滞在するなら、待機場所はどうするか、いちいち考えなくてはなりません。

つい、あとは情報担当に…となりがちです。まだいろいろな権限のない若い先生だと、やはり周りに遠慮して、お客さんではないのですから、支援員さんには辛くても、我慢してもらう方向になるでしょう。


3. 職員室には空いている席は意外とないです。小学校はまだ週1くらいなら座れる席がある時もありますが、中学は特に場所がないことが多いです。やむを得ず印刷室とかPC室に待機は定番です。

 居場所があっても人がいないところに置かれてしまうと、まずはコミニュケーションをとるために、ひと工夫が必要になりますし、慣れていないと支援員さんにとっては肩身の狭いものです。でも先生方にこれ以上のご負担はかけられません。


4. お昼を跨ぐなら、食事はどこでするのか、校内で食べるなら、場所はどうするか、支援員さんは勝手に決められません。

最近はコロナの影響もあり、先生方とご一緒して会議室でわいわいという食事はありません。場所をお借りしていいですか?と声をかけますが必ず困った顔をされたり、一生懸命に場所を探してくださるので本当に申し訳なく感じます。


5. 食事は基本持ち込みです。持ち込みならゴミの出ないようなものにしたり、散らかさないものにしたりすると良いのですが、知らないとゴミを捨てたくなるような、容器の出るもの、水気の多いものを持ってきてしまうこともあります。これは慣れていないとありがちです。ゴミの分別も必要なので、またそれを聞かなくてはなりません。


6. 外で食事をとってくるとしても、今度はまた出入りが発生します。校門にロックが厳重な学校はいちいち開けてもらわなくてはなりません。


7. 給食をいただいていたことも昔はありました。今もそういう方はいるかもしれません。学校にまだ余裕があった頃は、そういう楽しい時間も先生と共有できました。

 しかし、たまにくる人の分まで給食をだすには、事務さんに給食費を支払ったり、いつ来るのか事前の申請があったり。一人で捌けないイレギュラーは、つまり誰かの手間をともなうのです。


これらはまだほんのスタート時の検討事項の一部です。


 こういう学校側の手間を踏まえて勤務することを誰も教えていないと感じます。

 無闇矢鱈に学校に手伝いに行こうっていうのは、災害の時に頼まれていない物資をあちこちから送り込んで仕分に結局手間がかかってしまう、あれに似ています。


 ただ人手があればいいだろうとか、無計画な善意は、支援ではなく負担になることのほうが多い。

 ボランティアだからいいよねとかそういう押し売りや、ただならとりあえず人手が欲しいっていう考え方を本当にやめた方が良い。


逆にボランティアが欲しいならローカルルールをゴリ押ししないで寛容に受け入れないと事前準備が大変になる。つまり、学校側が準備をしなくても頼めるところに入れるべきでしょう。

 しかし、学校には守るべき子どもがいます。自分ではまだ善悪の判別がつかなかったり、危険に晒されたら弱い、子どもがのびのびと活動するには、学校に踏み込む人材は、誰でも大丈夫というわけにはいきません。子どもとの関わり方に心を配れないと、とか、新しい教育がわかってないと、とか。リスクを軽減するなら準備は必要になります。それを派遣する側が丁寧にヒアリングするために、委員会は外部人材を受け入れるなら、各校との取次をしなくてはうまくいきません。


さて、その準備や段取りは誰がやっているでしょうか?その立場が最初からいます!というのは、すでに外部人材投入の経験がある、わかっている企業や委員会だと思います。つまり外部人材の受け入れに慣れているところです。


 普段からそういった人の出入りを避けているところが、ICT支援員を導入すると、きっとこういうことだけでもストレスを感じるでしょう。私はそれを少しでも軽減したいのです。


 運営側が学校に直接交渉できれば、委員会のお手数を減らせますが、必ずしもそういうわけにもいきません。

全ての通達は委員会を通して行われ、担当者と管理職が把握している状態でないと、電話をして、丁寧に説明をしても、「?聞いてませんが?委員会は知ってるの?」と言われて不信感を持たれてしまいます。


実は、ICT支援員が定着して、管理職と早く良いコミニュケーションが取れているとここが一気に楽になります。委員会にも支援員さんの動きが見えていて、どの人がどんな人かわかっていれば、さらに安心でしょう。


しかしここまで整えるにはやはり誰かの手が必要なのです。それが、ICT支援員をはじめ、外部人材を提供する側の責務であると私は思います。


弊社は派遣業ではなく、支援員の委託を受ける企業でもありませんが、この誰も見ていない隙間にある手間を解消したいとかんがえます。


それはやり方のアドバイスや、通訳に近いコーディネーターの役割でもありますが、

上記のような細やかな導入時の準備やサポートを広げていきたいです。それだけで、全ての関係者が、少し楽になるはずです。


私と一緒にあらためて、この隙間についてお話ししてみませんか。



閲覧数:496回2件のコメント

2 Comments


うふふうふふ
うふふうふふ
Jul 19, 2021

かんがえる社長様

このコメントにとても共感を覚えました。初めて「配置」された小学校で、校長先生はじめ職員のみなさまに、昼食や駐車場の配慮までしていただくなど、外部の人間である私を受け入れていただいていることに、ただただ感謝の念を抱いています。

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