みなさんの自治体もNEXT GIGAの取り組みをそろそろ初めておられることでしょう。
1stGIGAは、右も左もわからず活用を始めて、端末の破損や紛失に頭を抱えた方も多いと思います。今日は、ICT端末の破損率低減と多様な活用法を実現するための方策をお伝えします。
先生や子どもたちが日々利用する端末を、単なる機械ではなく「相棒」として大切に扱い、ICTが切り拓く新たな教育体験の実現を目指します。以下の各章では、具体的なチャレンジ内容と整備の方向性についてお話しします。
1. はじめに
NEXT GIGAは、教育現場で利用されるICT端末を、より安全かつ効果的に活用するための取り組みをスタート時から実施する必要があります。たとえば、端末を扱う際の破損リスクを大幅に下げるための「赤ちゃんだっこ」や、タブレットを単なる動画再生機ではなく、精密機械として扱う「初めてのタブレットチャレンジ」をお勧めしたいと思います。
これらの基本的な取り扱いが周知された後、さらに「持ち帰りマスター」という家庭内でのICT活用の普及にも力を入れていく流れを作りましょう。なぜなら、GIGA端末はこれからの長い年月にわたり、自分の相棒として大切に使っていくべき存在であると認識して欲しいからです。これは自分の身の回りの全ての精密機械に対してそうであって欲しいと願います。
2. NEXT GIGAの3つのチャレンジ
2.1 「赤ちゃんだっこ」:破損率を劇的に低減
「赤ちゃんだっこ」とは、まるで赤ちゃんを大切に抱えるかのように、ICT端末を取り扱う持ち方です。端末は高価であり、万が一破損してしまえばその修理や交換に多大なコストがかかるだけでなく、授業や学びの連続性にも影響を及ぼします。そこで、子どもたちだけでなく、これを指導することで、教師が端末をどのように扱い、保護するかを学び、破損率を劇的に低減させる狙いがあります。1stGIGAでも、実際にこの方法を実践することで、端末の寿命が延び、結果として長期的なICT活用環境の安定が確保できた学校の報告もいただいています。

2.2 「初めてのタブレットチャレンジ」:精密機械としてのタブレット活用
次に、タブレットを単なるエンターテインメント機器としてではなく、教育現場での重要なツールとして扱うための「初めてのタブレットチャレンジ」があります。ここでは、基本的な操作方法やトラブルシューティング、さらにはメンテナンスの方法など、実践的な知識と技能を習得することを目的としています。
特に今の子供達は家庭で、重い、落とすと破損してしまうようなものを扱う経験をしていません。手の力を意識したり、周囲を意識して物を運ぶ経験も少ないのです。
高学年であっても、投げたり踏んでも大丈夫なものに囲まれている生活をしていると、精密機械であるタブレットですら、放り投げたり、置いた上に座ってしまうなど、間違った取り扱いに気づかないのです。
また、持ち方だけでなく、基本的な取り扱いや機能を正しく理解することで、多くの大人がタブレットをYouTubeやネットフリックスの再生機と捉えがちな現状に対し、子供達自身が正しい使い方を理解することで、ICTの真の可能性を感じることができるのです。

2.3 「持ち帰りマスター」:家庭へのICT活用の波及
基礎が固まった後には、学校での取り組みを家庭へと広げる「持ち帰りマスター」が登場します。これは、学校で学んだICTの使い方やその価値を、家庭に持ち帰って実践することで、教育全体の質を高める狙いがあります。家庭内でのICT環境が整えば、子どもたちは日常生活でも自然と学びの機会を増やすことができ、家庭と学校が一体となってICT教育の波及効果を生み出すのです。家庭の大人にもICTの可能性を子供から伝えていけるようになるでしょう。

3. 端末の「相棒」としての位置付け
ICT端末は単なるツールではなく、教師や子どもたちの日常生活における大切な「相棒」としての役割を担います。自分の端末が信頼できるパートナーであれば、学習や作業はよりスムーズに進み、さらなるチャレンジにも積極的になれます。NEXT GIGAは、教師も子どもたちも自分自身の相棒となる端末を、しっかりと整備し、正しく使いこなせるようになることを求めています。これにより、ICTの活用は単なる代替手段ではなく、教育の本質的な支援ツールへと変わっていくのです。
4. ネットワーク整備の不可欠性
ICTの効果的な活用には、安定したネットワーク環境が不可欠です。まず、どこでも利用できるWi-Fi環境の整備は基本中の基本です。また、少人数での利用が想定される場合や、特定地域での活用を考えると、LTEの導入も重要なポイントとなります。地域によってはLTEが届かない場合もあるため、様々なケースを想定し、適切なアドバイスや対策が求められます。全員が安心してICTを利用できる環境づくりは、「できない人がいるから全員やらない」という考えを乗り越えるための重要な一歩です。
5. ICTが切り拓く新たな教育体験
ICTの導入は、従来の教育手法では実現できなかった数々の新たな学びの体験を提供します。端末が整備され、正しく扱われることで、教師は日々の作業を効率化し、より創造的な教育活動に時間を充てることができます。さらに、子どもたちにとっては、タブレットが単なる動画再生機ではなく、情報の検索、表現、創作など多岐にわたる学びの道具となります。学校でのICT体験は、子どもたちがコンピュータの素晴らしさを実感し、その知識を家庭へと持ち帰ることで、家庭内でも新しい学習環境が生まれることを期待させます。
6. 先端技術の導入と実践
タブレットだけでなく、よりハイスペックなコンピュータや先端技術の導入も、教育現場の充実に大きく貢献します。最新の3Dプリンタやレーザーカッター、VR、さらには生成AIといった技術は、家庭では通常体験できない実践的な学びの機会を提供します。こうした設備を学校に整備することで、子どもたちは未来の技術に触れるだけでなく、それを使いこなすスキルを身につけることができ、将来的なキャリア形成にも大きな影響を与えるでしょう。
7. 道具のメンテナンスが学びの基礎
すべてのものづくりは、まず道具のメンテナンスから始まります。ICT機器も例外ではなく、正しい管理と定期的なメンテナンスが、その性能を最大限に発揮するためには必要不可欠です。弊社は、教師自身が自分の端末をどのように整備し、長期間にわたって信頼性を保つかを学ぶためのコンテンツを提供しています。このような取り組みは、アナログなものづくりの基本原則と同様に、ICT活用の根幹をなす重要な教育内容であるといえます。
8. 結論
NEXT GIGAの取り組みは、単なる機器の導入にとどまらず、教師と子どもたちが安心してICTを有効に活用できる環境作りを目指す全体戦略です。端末を「相棒」として大切に扱い、安定したネットワーク環境の整備、そして先端技術や正しいメンテナンスの実践を通して、教育現場に新たな可能性をもたらすことが期待されます。こうした取り組みは、教師の作業効率の向上や子どもたちの創造的な学びを促進し、学校と家庭が一体となって未来の学びを支える基盤となるでしょう。NEXT GIGAは、教育現場におけるICT活用の可能性を広げ、より豊かな学習環境を実現するための大切な一歩となることを目指しています。弊社の「はじめてのタブレット」「赤ちゃんだっこ」「持ち帰りマスター」はみなさまのICT活用を裏で支える重要な基礎となります。スタートからぜひ取り入れてみてください。
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