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執筆者の写真かんがえる社長

ICT支援員さんへの研修

先日岡山へ出張して、ICT支援員さんの研修を1日かけてやりました。午前中はセキュリティに関する講義などと、説明力のためのワーク、午後の研修では、支援員さんたちに担当校の中から1校選んで学校自慢をしていただきました。これには色んな視点での要素が入っていました。

参加者は30名くらい。


午後のワークの手順は

①各自選んだ学校についてネットで調べたり、自分の体験を思い出したりして、その学校について自慢できる所をかんがえる。

②Googleスライドに「かっこよく」まとめる。

③班に分かれて一人5分以内で発表し合い、その動画をタブレットで撮る。発表も撮影も全て一人1回は行う。

④撮った動画を指定されたドライブに提出。提出された動画はあとで見られるように共有。

学校でこどもたちがよくやる活動です。

支援員さんにこれをやってもらった意図としては以下の通りです。


ICT支援員さんは決まった学校に通っているので、その学校にとってはお客さまではないから日常が見えます。支援員さんから見て、素敵だな、いいな、好きだなと思う学校を選ぶと、それぞれの支援員さんにとって居心地がいい学校がわかります。好きなものを紹介するのは比較的楽な仕事です。

そして、会社の営業さんや管理者さんからはわからない、支援員さんの目で耳で獲得してきた、生きた学校の様子を楽しい気持ちで報告してもらえます。ICTに関係ない部分も見えます。

調べてスライドにまとめるという学校あるあるな活動を、自分で完成までやってみたことがない人が支援員さんには多いです。

このワークの前に、午前中には、「Googleスライドの基本操作と共有を、他自治体から来て、Google使ったことない先生に5分で説明する」

というワーク(これも録画)をやっておきました。

よく使うアプリは自分で手を動かして、完成まで作ってみて、難しい部分や時間のかかる部分を体験してもらいたいのです。経験なしで本やネットでちらっとみて、アドバイスするのでは、色んな部分に誤差が大きく出ますから。

「かっこいいスライド」とさりげなく言ったので、みなさんそこそこイラスト入れたりカラフルなテンプレートを選んだりしてくださいました。紙じゃないからできることの一つです。インクが勿体無いとかもないし、いっぱい飾れます。

お題に対して短時間で仕上げるスピードは支援員に絶対必要なスキルです。(即応性)調べてスライド完成まで1時間でやってもらいました。

全員が時間内に発表することで「自分はいいです」みたいな逃げはなしにしました。【遠慮という名の怠慢】(これがダメ)はないようにしたいのです。

そして全員がお互いの動画をいつものタブレットで1回ずつ撮ってもらったのは、これも子供がやる活動だからです。5分手で持って動画撮るってどうだったかな。

持ちにくくて疲れたのでは?その時どんな工夫をしたかな?

発表してるのを撮る時、どんなアングルで、どこを撮ったかな。これも何も指示してないので、撮り方がさまざまでした。

人を中心に撮ったり、スライドばかりを撮ったり、前から、斜めからなどさまざま。

共有に提出するのも普段やってるかのテストでしたが、あとで他人の動画を見て学んでほしいですし、見てくれない人もいるでしょうけれど、少なくとも共有される時点で、誰かに見られるかもしれませんから、少なくともいい加減すぎるものは提出しないでしょう。

ざっくり、こんな中身で午後2時間やってもらいました。ごはんのあとの眠気はワークで乗り越えました。

  • 自分で完成までやってみる

  • 時間制限の中で仕上げる

  • 仲間に伝える

というのは当たり前の活動ですが、サポートする大人は知ってるだけで完成までやってない人が意外と多いです。

研修でさわりだけ見てやったふりで終わってませんか?

あとでやることにして結局やってなかったり、時間を伸ばしてだらだらやってたり。

発表は時間内で話を完結させなくちゃいけません。うまく話せたかな?

動画はのちほど私も共有してもらうので、またゆっくりと確認してみたいです。


この企業の支援員さんたちは、日頃からミーティングや研修、報告書提出などを管理者がやるべきだと考えて頑張っておられるだけあって、全員がなかなか上手なプレゼンをしておられました。見ていて安心感がありました。


これがあまり知らないアプリだったとしても、本来ICT支援員さんは、即応性を求められる仕事なので、基本を調べて手を動かしてハイスピードで習得する力が絶対に必要なのです。


そして、管理側に考えて欲しいのは、ICT支援員さんが持っている学校の情報を、教育委員会や企業は大切にしなくてはいけないということです。

これを無駄にして、毎月見もせずに報告書を委員会に提出だけして、出された側も目も通さず、事務的に「はい、出しました」で契約が終われば捨ててしまう。

こんな残念なことに毎日面倒な報告書を書かされてると思ったらやる気はなくなるので、支援員さんだって大切なことを書かなくなります。

自分が苦労したことだけ書いて働いてる感だけをアピールします。自分視点の感想ばかりになります。そんなのは報告書ではない。


そんな思いを詰め込んでみましたが、もちろんそんなことは伝わりきれなかったでしょう。

こんなことやってなんの意味があるんだと思う支援員さんもおそらくいたでしょう。

もっとテクニカルなメソッドが知りたい、何か裏技が知りたいという人は多いはずです。

でもそういうことはネットにいっぱいありますから、それを調べて見つけて自ら身につけるためには、たった1日の研修ではできません。自分のテクニカルなスキルは日々の好奇心とチャレンジとその継続でしか得られません。この仕事の価値と意味を自分がわかっていなくてはモチベーションにもならないでしょう。


もう少し意図を伝えておくべきだろうといつも思いつつ、伝えずにやるから出てくる情報もあり、それはそれで難しい問題が多いんですがここはまたいずれ。

そして、研修を企画してくださった企業さんの日頃の取り組みも見えるワークだったのですが、本当に真摯に取り組んでおられることが見て取れました。私自身も遠く離れたこの自治体の色んな学校のことがわかって、とても勉強になりました。


学ぶことは無限にある。

学校に携わると課題が山ほどあって毎日それがふりかかってくる。

答えを求めて頭をフル回転させることが、楽しいと感じるひとにこの仕事は向いています。

与えられるものに意味を見出して自分の糧にすることができる人が、愛される支援員さんになるのは間違いなく、ものの見方、捉え方は、ひとそれぞれではありますが、関わる人全てが少しでも学校を愛してほしいと願う次第です。

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